粒粒の循環
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良い7月だった…。
暑くもなく寒くもなく、心身ともに伸び伸びと過ごしました。
穏やかすぎて頭のネジが普段よりもだいぶん緩んだ気がしています。
いつもまでもこの気候が続くわけではないので、8月は緩んだネジを締め戻しながら参りたいと思います。ネジ回しを探すところから始めます。どこ行ったけなー。
一日の終わりの一杯、湿気のない20度前後の北欧の夏にぴったりのレシピ開発をし、毎日限定一杯🍹(自戒)楽しんでいました。
ライム4分の1をグラスに絞って、そこにハチミツをティースプーン一杯溶かし、ボンベイサファイアを30ml位?、ソーダ水で割ります。
鬼平のお熊ばあさんのように、これがなくちゃあ、一日が終わらねえだよう、とつぶやきながら、いただきます。
ジンの味の違いが分かるわけではないので、ボンベイサファイアでなくても良いのですが、ただ、酒屋さんのジンの棚で、ボトルが涼しげだから。
その後、布団の上で、良い人生だった…、ではなくて、良い一日だった…。と思いながら眠っていました。
良い7月だった…。
15歳男子の釣りに付き合って、私は釣りをするでもなく、小さな波がたつ水面を眺めていると、だんだんと焦点が合わなくなり、水が地球上を循環する様が妄想されて。
目の前の穏やかな湖の水面、災害の大雨、海水、川の水、恵みの雨、末期の水、命の水、汚染水、天然水、井戸水、氷河の氷、アイスコーヒーの中の氷、水道水、いつか降った黒い雨。
体の中の水、脳と心臓の73%肺の83%皮膚の64%筋肉と腎臓の79%骨の31%血液の約90%の水。
さっき私があくびをして出た涙の水の分子は、かつての恐竜のおしっこだったかもしれないし、かつてナイアガラの滝の水だったかもしれないし、いつかどこかの木の樹液だったかもしれない、干される前のシイタケの水分だったかもしれない。
水分子だけに限らず、原子とか分子とか、すべての物資を構成する粒粒が、長い時間をかけて循環している流れを思うと、粒粒が巡り巡って形を変えているだけで、時間と空間も、様々な境界もぼやけてくる気がします。地球上の粒粒の総数は変わらず、形を変えているだけ。
私を構成する原子と分子の粒粒は、私の以前には何だったか、私の後は何になるのか。私の体もそのうち、この循環の流れの輪に戻るわけで。そこから一時的に私を構成するものを借りているだけか。
…粒粒だもの。
そんな妄想をしていると。
水面の向こうで、バッシャーッツ!と派手な音を立てて跳ねる魚と、それを悔しそうに眺める15歳と、ぷかぷか浮かんだ雲と、涼しい風。
あゝ。私の現実世界が戻ってきた。
とりあえず、本日の夕飯は魚ではないようです。